毎月連載されている「徒然ぐせ」はいつから始まったんだろう?と調べてみました。
なんと17年前!! 2002年(平成14年)の10月号からでした。
せっかくなのでアーカイブとしてwebにアップしていきたいと思います。お楽しみください!
アーカイブ 徒然ぐせ vol.15
驚愕のスタートは病院から始まったのです。会社にサニーとテリーを留守番に、ケガした子犬と12月31日の当番の動物病院へと急いで行きました。その獣医師から、「この子犬は足を骨折しているみたいですね」と言われ、「交通事故にあっていたのかもしれませんね」との診断を受けました。私たちは、ただ怪我をしているとしか思っていず驚いたし、さらに、今度は診療中に子犬が痙攣を始めた時の先生の一言から衝撃が起こったのです。
先生は、「この子はジステンパーにかかっているかも知れません。可能性があります。それに、この子の命はあと何日あるのか分かりません。それでも治療をしますか?」私たちは、驚きと同時にどうしたらいいのか分からないのでした。「できるだけの治療をしてください。」と言うのが精一杯でした。「この子は死ぬのかもしれない」と考えただけで頭は真っ白でした。死ぬということばかりが頭をグルグル回り、「もしかしたらジステンパーかも」という病気のことは、まだ考えられないのが現実でした。とりあえず、薬をもらって会社に帰るようにして、この子を隔離しなければと隔離をすることにしました。
それから戦いが始まったのです。子犬は、痙攣を始めたのでマンツーマンで割り箸にタオルを巻き付け口に入れ、舌を咬まないようにつきっきりで看病をしなければならない。残った者は、サニーとテリーに移らないようにしなければならない。会社内をエタノールで拭き、1時間おきに霧吹きで空気を消毒をするように。壁に床に机の上にと、何度も何度も拭きあげる。着ている洋服も全て捨て着替える。もう、自分が何をしているのか分からないくらい無我夢中でした。エタノールの消毒液をお店から無くなる程買って消毒をする。
ジステンパーの病気のことを知っている人に対応策を聞く。エタノールだけではダメといわれハイターで拭きあげたらいいといわれ、今度はハイターで拭きあげる。床に壁に机に棚にと全てを拭く。
せっかく保護したサニーとテリーの命を自分の中途半端な姿勢のせいで落とすことになったらと、ドキドキは止まらないし、自宅のメリールーとストーンの命にもし何かあったら大変だと、さらに不安は強まる。家には夜中に帰り、外で体中にエタノールを吹きかけ、家に入ればすぐ洋服を着替えて家中をエタノールで拭きあげ、霧吹きで消毒をする。それでもドキドキは止まらない。夜、眠ることができずにいると、1月1日3時30分、チビちゃんは息を引き取りました。とても、頑張ってこの世を去ったのです。
私たちの戦いはそれから1月4日まで毎日続き、やっと開いた病院に朝早く電話を入れ(勿論この間、何度も当番の獣医師に電話を入れて状況を聞いています。)どうすればいいのか問いました。「もう4〜5日も過ぎているのなら問題は無いと思います。それに、その子は状況からすると交通事故による脳障害のてんかんではないかと思われます。ジステンパーではないと思いますよ」とコメントをいただいた。(もちろん、病院へは行きました。)
私たちの、この大切な正月休みはいったいなんだったのか!病気の重さ、予防の大切さを知った新年のスタートでした。軽率な行動ではなく、慎重な行動の必要性を深く考えさせられたものでした。
2003年12月20日発行 1月号
●タイトル「徒然ぐせ」とは…かの有名な「徒然草」をもじったものである。
このエッセイにあたり編集長のクセをタイトルにすることとなった。小誌編集長は犬も猫も大好きである。 特に捨てられている犬・猫を見つけると会社へつれてきては保護する、つまり連れてくるクセがあるのである。今までどれくらい保護したことか…。
(ちなみに編集長に保護された犬や猫は、すべて心やさしい里親に育てられていることは追記しておく。)
今月のサニーくん
愛嬌と可愛らしさが増しているサニー ●約1ヵ月ぶりにサニーの面会に行った。寂しい思いをさせて申し訳なかったとサニーに謝りながら松岡訓練所に出かけたが、サニーは顔を見るなり笑顔で私たちを呼び寄せた。先生が見えるまでサークルに入っていたサニーは、私たちの足下にすり寄り、ここから出してカラダを撫でて欲しいと穴を掘ったり足を引っ張ったり大忙し。先生がみえると、先生の指示で座ったり、ついたりと少しづつトレーニング成果が現れているようです。もう少し、時間がかかりそうですが心から喜びが出てきました。