毎月連載されている「徒然ぐせ」はいつから始まったんだろう?と調べてみました。
なんと17年前!! 2002年(平成14年)の10月号からでした。
せっかくなのでアーカイブとしてwebにアップしていきたいと思います。お楽しみください!
アーカイブ 徒然ぐせ vol.16
先月号では、亡くなったチビちゃんのことにあまり触れず大変だったことをお伝えしました。でも、チビちゃんはとても頑張ってこの世を去ったのです。読者の皆さんにそのことを知って頂きたいと書くことにしました。どんな命も終わる時には感謝の気持ちを伝えるということも知りました。このチビちゃんを見送ってくれたのはスタッフKです。その時の彼女からの報告を伝えます。
病院で「痙攣が起こりその時間が短くなってきますので気をつけてください」といわれました。結果はその通りで最初は1時間半ごとに起こっていた痙攣はだんだん短くなってきました。とにかく舌を咬まないように、喉に詰まらせないようにと、身体を押さえタオルを割り箸に巻き付けて口に入れ、痙攣がおさまるのを待つようにしました。できるのはこれだけだろうか、他にはないのかと思いつつ「チビちゃん、大丈夫よ!」と声をかけるだけでした。体力が消耗しないように、死期が近づいているんじゃないか、不安と心配で悲しさがいっぱいになって砕けそうになったりしました。でも、痙攣が起こっていないときは、少しでも眠らせてあげたいと抱っこをし、栄養価の高いミルクを飲ませながらふたり(チビちゃんと)で闘っていました(もちろんスプーンで舌にたらすだけです)。
ラジオからカウントダウンの声が聞こえてきた時は、もう痙攣は30分間隔になっていました。でも、新年を迎えることができたのですから大丈夫かもしれないと自分自身を奮い立たせていました。それから2時間ほど経過した時、痙攣を起こしているチビちゃんと目が合ったのです。(それまでは一度も目が合ってはいませんでした。)
苦しそうな息づかいでした。「チビちゃん」と声を掛けると、なんとテールがブルンブルンと大きく回ったのです。驚きましたが、チビちゃんが”有難う“と言ってくれたように感じました。そして、そのまま様態が落ち着つくのかと思ったりしましたが、次第に息づかいが弱々しくなって身体が人形のように痙攣にまかせてガタガタ震えるばかりになってきました。”痙攣止まれ!“と、何度もチビちゃんを抱えて願うばかりでした。涙はもう止まりません。こんなに苦しむ病気があるのか、可哀相で可哀相でたまらなかった。もう、楽にさせてやりたいと言う気持ちになったりしながら、ついにその時がやってきました。深夜3時30分、薄目を開けたまま息を引き取っていきました。涙は止めどもなく溢れましたが「ありがとう、よく頑張ったね」と、目を閉じさせると、笑顔になったように思えました。最後に「チビちゃん、頑張ったね。偉かったよ」と声を掛けました。今、チビちゃんはメモリアルパークで眠っています。
そして、スタッフKはそのチビちゃんに戒名と「天国で思いっきり走り回って遊んでね」と手紙を添えて葬ってくれたのです(チビちゃんは事故で足が折れていたのです)。チビちゃんはきっと、彼女にありがとうという感謝と、愛してくれた人がいたことに幸せの実感をもって天国に旅立つことができたと私は思っています。誰でも、最後に愛してくれた人がいたことを実感できることが一番嬉しいことだと思っています。
最後に、私は彼女がチビちゃんを愛してくれ看病をしてくれたことに感謝でいっぱいです。
2004年1月20発行 2月号
●タイトル「徒然ぐせ」とは…かの有名な「徒然草」をもじったものである。
このエッセイにあたり編集長のクセをタイトルにすることとなった。小誌編集長は犬も猫も大好きである。 特に捨てられている犬・猫を見つけると会社へつれてきては保護する、つまり連れてくるクセがあるのである。今までどれくらい保護したことか…。
(ちなみに編集長に保護された犬や猫は、すべて心やさしい里親に育てられていることは追記しておく。)
今月のサニーくん
サニーは寒くなったので毛が生え替わろうとしていました。おかげでサニーはきれいな真っ白い目のクリクリした犬になっていました。甘えん坊は相変わらずで、1月からは私たちと一緒に訓練を受けることになりました。少しずつですが先生のおかげでお利口さんになりつつあるサニーに負けないようにトレーニングの練習をしなければと実感をしました。