SKIP編集部がなぜマザールーフをつくったのか…
NPO法人マザールーフの誕生物語 Vol.9後編
マザールーフの犬たちはいろんな事情でやって来た犬たちです。
マザールーフの犬たちは、SKIPの編集スタッフが中心となって世話をしています。
マザールーフに様々な事情でやって来た犬たちを紹介します。
リハビリと努力で、普通に走れるようになったハナ
そして、ハナちゃんの後に同じ病気になって手術をした犬は1年後に亡くなったりしたからです。先生は、ハナちゃんの症例を学会に発表し、今まで見逃されていたかもしれない病気として、手術をして歩けるようになる可能もあると紹介していました。もちろん、飼い主と手術をした犬の努力も必要です。病院へは、退院後も月1回検査に行きました。MRIとCT検査も受けました。
ハナちゃんは1年たった頃には自分で歩けるようになり散歩にも行けるようになったのです。この頃は、後ろ足には靴下を2枚重ねではかせていました。なぜなら後ろ足を引きずるので爪から血が出たりしたからです。毎日靴下は破けるので、今度は犬の靴を見つけてはかせるようにしました。これは本当に良かったです。こうして、もう歩けないと言われたハナちゃんはリハビリと努力で、片方の足を少し引きずりますが普通に走り回れるようになったのです。
ハナは新しく入った犬たちの教育係をしてくれました
犬たちが次々にやって来ました。そんな時にはハナちゃんが強い味方でした。いろんなルールをハナちゃんが教えてくれていました。私たちは本当に助かりました。例えば、犬同士の関係で威嚇しあったりしているとハナちゃんの出番でした。叱って仲裁をするのです。
優しくて気の強いハナちゃんは、私たちをも優しく支えてくれる存在になっていました。私たちは辛いことや悲しいことがあるとハナちゃんに話すようになったのです。ハナちゃんは黙って話を聞いてくれるのです。そして、手をペロッと舌で舐めて慰めるのです。悲しくて泣いていると横で泣き止むまで傍にいてくれるのです。ハナちゃんはそんな存在になっていたのです。
でも、ハナちゃんは、とても多くの大病もしました。大人になって胃捻転にもなりました。この時も、スタッフの素早い発見で一命を取り留めました。夜間動物病院へ行って手術をしてもらって助けていただいたのです。次に、誤嚥性肺炎にもなりました。これも大学病院の先生に見つけてもらい助かったのです。この時も大変で、食後30分は食道を真っすぐにする必要があるので、抱っこして上半身をまっすぐにしていました。ハナちゃんの負担もありましたが、スタッフも大変だったので、赤ちゃんを座らせる椅子を買って座らせていました。ハナちゃんは大人しくその椅子に30分座っていました。本当に頭のいい犬で自分の状況を理解しているのでじっとしているのです。今自分に必要なことを把握している私たちの相棒です。あるスタッフは、ハナちゃんに何度も救われたと感謝をしているといいます。
幼くして捨てられ、命に係わる大病をも克服して頑張って生きているハナちゃんは、本当に優しい心で私たちを支えてくれる、背中に天使の羽をもった犬なのです。
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