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アーカイブ 徒然ぐせ 番外編

徒然ぐせ

毎月連載されている「徒然ぐせ」はいつから始まったんだろう?と調べてみました。
なんと17年前!! 2002年(平成14年)の10月号からでした。
せっかくなのでアーカイブとしてwebにアップしていきたいと思います。お楽しみください!

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 先月号で紹介した東日本大震災での2頭の犬のことで読者の方から2頭とも保護され元気とのメールがきた。嬉しいメールだった。東日本大震災で動物たちも悲惨な目に遭っている。いいようがないほどヒドイ状況だ。心から可哀相だと思う。今、多くの人たちが、人間だけだなく動物たちに対しても助ける動きが始まり出したようだ。そんな皆さんに心の底から感謝をしたい。  

 そんな辛いTVの報道を観たりして心を痛めていたとき、さらに追い討ちをかけるように辛い出来事に遭遇した。それは散歩の時に発見したのだ。いつもと同じように気持ちの良い季節だなと思いながら犬と歩いていると、白いものが桜の木の下にいる。ナンだろうと、ドキドキしながら近づくと、猫が逆さまになって桜の木の根っこの部分に死んだように動かないでいる。死んでいるんだろうかとドキドキして見ていると、耳がかすかに動いた。「生きている!」なんだ、寝ているだけか…と、安心して通り過ぎたが、気持ちは動揺している。お濠の下を犬と歩きながら、"本当にただ寝ているだけなんだろうか?猫が、あんなにぐっすり寝ているもんだろうか?朝早いといっても、もう明るいし"…などと頭の中は疑問がクルクルと渦巻いたように回る。どうしたもんだろう…と思いながら、次の犬とまた散歩に出かけ、さっきの猫の所に来た。まだ寝ている。今度は、下を向いて丸くなっている。"動いている"ということは、死んではいないんだ、とホッとしたが、私の感が動く。やっぱりおかしい。この猫はどうかしているんだ、間違いなく。病気かもしれないし、死にかけているに違いない。カラスたちも近くにいる。絶対に弱るのを狙っているんだ。どうしよう、犬を連れているから近づけない。動きがとれない。絶体絶命だ!こんな時はスタッフKに連絡だ。連絡をすると、彼女はすぐこう言った。「カラスが狙っていると言うことは弱っているということです。」ときっぱり言い切った。スタッフKは猫のことは知り尽くしているほど詳しいので、すぐ駆けつけて保護をしてくれた。保護したら当然すぐ病院へ行った。私は、スタッフKの分も犬の世話をしなければいけない。いつもより2倍の忙しさで世話をしていると病院のスタッフKから連絡が入る。まだ死んではいないが、かなり弱っているそうだ。貧血を起こしていて、とても一匹でウロウロできるような状態ではなかったようだ。そして、驚愕の事実が判明した。病院で検査をしている痕があるらしい。それも、つい最近のようだ。ということは、病気が判明して捨てられたのだろうか。惨い!カワイソ過ぎる!と思わず声が出る。動物は、死ぬときこそ側にいてあげて欲しい。病気の動物を看るのは大変なのは分るが、捨てないでほしい。最後が大切なのだ。幸せだったと思って死んでいくのと、寂しい気持ちで死んでいくのでは天国へ行ってから大きく違ってくると思うから。

エッセイ,編集長,徒然,マザー,ルーフ,病気,保護猫,捨て猫 猫ちゃんは、死ぬかもしれないと思いながらも、輸血をしてもらって入院することになった。血液が極端に薄いということと、血小板が少ない病状のよう。極度の貧血でフラフラして、とても立ったり歩いたりできるような状態ではない。高酸素室に入っているが回復に向かうのかどうかは獣医の先生でも分らないというものなのだ。難しい…大変だ…と思っても命を粗末にはできない…。これからいったいどうなるのか?ドキドキの毎日を過ごすことになるのは間違いない。しかし、こんな状況の猫を捨てる人はどんな人なんだろう、と思ってしまう。きっと、大変だったんだろうとは思うが、無情だとしか言いようがない…。なんだか辛くなってしまう。こんな動物がいっぱいいるんだろうか?と!でも、私に何ができるわけでもないのでいろんなことは言えないが、できるだけ捨てないで大切にして欲しいと願うだけなのだ。

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高酸素室に入って、少し楽になっている桜子ちゃん。カラダは小さくて痩せています。でも笑顔が可愛いんですが、ちょっと元気になると遊んでと爪を尖らせます。

 この猫ちゃんは、女の子で名前を桜子ちゃんとつけた。でも、まだ今も病院に入院している。これからまだいつ退院できるかわかりませんが、頑張って欲しいと祈っている。

2011年5月20日発行 6月号

●タイトル「徒然ぐせ」とは…かの有名な「徒然草」をもじったものである。

このエッセイにあたり編集長のクセをタイトルにすることとなった。小誌編集長は犬も猫も大好きである。 特に捨てられている犬・猫を見つけると会社へつれてきては保護する、つまり連れてくるクセがあるのである。今までどれくらい保護したことか…。
(ちなみに編集長に保護された犬や猫は、すべて心やさしい里親に育てられていることは追記しておく。)

 

 

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